サプリメントとは?
サプリメントの酵素について解説する前に、サプリメントについて改めて簡単に説明します。
サプリメントの語源
サプリメントの語源はアメリカのdietary supplement(ダイエタリー・サプリメント)です。
その意味は「栄養補助食品」で、ダイエットのサプリメントではありません。
"dietary"は「食事」、"supplement"が「追加,補足,補充」という意味です。
日本ではそのダイエタリーが取れて「サプリメント」=「栄養補助食品」というイメージですね。
サプリメントへの期待と矛盾
ということですから、サプリメントはあくまでも栄養を補助する「食品」です。
しかし、消費者はサプリメントに何らかの改善効果を期待してしまいます。
そして、そこに付け込むメーカーや販売者が薬事法の網の目をくぐりながら、巧妙に効果をイメージさせるのです。
現在では、実証された一部の効果を謳える「特定保健用食品」や医学的に効果の認められる成分を一定以上配合した「栄養機能食品」があります。
しかし、これらに含まれないサプリメントの方が圧倒的に多く、消費者の混乱は続いています。
サプリメントの酵素
サプリメントでの酵素の利用は2通りあります。
ひとつは、サプリメントの製造に酵素を利用する場合です。
もうひとつは、酵素をサプリメントに配合する場合です。
酵素を利用したサプリメント
酵素は、食品では広く利用されています。
水あめやブドウ糖や麦芽糖などの糖類の製造、食品の改質などに利用されています。
また、日本人には欠かせない味噌や醤油も発酵という作用を利用していますが、これも微生物が含む酵素を間接的に利用してきたといえます。
サプリメントでは?
素材の低分子化に利用されます。
例えば、多くの女性が利用しているコラーゲン。
サプリメントでは正確には「コラーゲンペプチド」が利用されています。
一般的に呼ばれるコラーゲンとは正確には生体内や肉や魚の身や骨に存在する状態です。
人間がコラーゲンを摂るには、加熱や体温でゼラチンに変性したものを消化します。
しかし、ゼラチンは加熱すれば溶け、冷めれば固まる性質があります。
お菓子などを作るには便利なのですが、粉末にしたり顆粒にしたり、タブレットにしたりカプセルに入れたり、ドリンクにしたりというサプリメントの加工には向かないのです。
そこで、ゼラチンに酵素を加え低分子化する技術が開発されました。
コラーゲンを変性させてゼラチンとし、そのゼラチンを酵素で低分子化したコラーゲンペプチドです。
このコラーゲンペプチドは低分子化されたことにより熱しても冷ましても変性しませんから、現在のように多種多様なコラーゲンサプリメントが市場に溢れたのです。
その他にも低分子化により機能性を増すとして多くのサプリメントに酵素が利用されています。
酵素を配合したサプリメント
酵素そのものを配合したサプリメントも数多く販売されています。
「酵素ダイエット」という言葉も最近よく耳にしますよね。
しかし別項で説明しましたが、酵素はタンパク質でできています。
タンパク質でできた酵素は、熱や酸に弱いのです。
一般的なサプリメントの加工では、加熱殺菌をします。
一番安全で低コストだからです。
また、粉末や打錠にするためにも高温で乾燥させる必要があります。
この加熱によって、酵素は変性し失活してしまいます。
また、殺菌に加熱以外の方法をとったとしても、胃の中の胃酸で変性してしまうのです。
酵素サプリメント・・・
最近人気ですが、生きた酵素は摂れていないというのが現実のようです。