酵素とは?
エンザミンは酵素ではなく、体内酵素活性因子だと説明しました。
では「酵素」とは、どんなもので、どんな役割と働きをしているのでしょうか?
酵素はたんぱく質
まずは、酵素が何でできているのか?
表題に書きましたように、酵素は「たんぱく質」を基に作られています。
ですから、酵素は他のタンパク質と同様に熱やpHによって変性するわけです。
酵素は熱やpHによって変性する。
大切なポイントですから、覚えておいてください。
酵素の役割
「生体は酵素によって生かされている」と言っても過言ではありません。
酵素は、「消化」「吸収」「代謝」「排泄」全てに関わっているからです。
というか、酵素が無ければ消化・吸収・代謝・排泄での化学反応が起こりません。
酵素は、生体内で必要な化学反応の「触媒」として働く分子なのです。
酵素の種類
酵素は大きく分けて、消化に関与するもの、エネルギー代謝に関与するもの、遺伝に関与するもの、細胞内の伝達に関与するものに分けられます。
以下に、概略を列記しました。
消化に関与する酵素
- タンパク質分解酵素
- ペプシン、トリプシン・・・胃液や膵液に含まれる
- パパイン、ブロメライン・・・食物由来の消化酵素
- トロンビン・・・血液凝固系の酵素
- デンプン分解酵素
- アミラーゼ・・・唾液や膵液に含まれる
- 脂肪分解酵素
- リパーゼ・・・中性脂肪の消化
- 酸化酵素
- シトクロムP450・・・薬物分解酵素
- カタラーゼ・・・活性酸素の生成物の分解
- エネルギー代謝に関する酵素
- ATP合成酵素・・・呼吸鎖複合体におけるATP産生
遺伝に関与する酵素
- DNAポリメラーゼ・・・DNAの複成・修復
- RNAポリメラーゼ・・・m-RNAへの転写。遺伝子の発現
- ヌクレアーゼ・・・DNA・m-RNAの編集、核酸代謝
- アミノアシルtRNAシンセテース・・・t-RNAの合成
細胞内のシグナル伝達に関与する酵素
- リン酸化酵素(キナーゼ)・・・シグナル化
- 脱リン酸化酵素(フォスファターゼ)・・・脱シグナル化
- グリコシルトランスフェラーゼ・・・糖鎖の修飾
- DNAメチラーゼ・・・遺伝子発現の制御
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